一般社団法人 経営革新等認定支援機関 ねりま中小企業経営支援センター

ねりせん経営相談室Vol.2 資金繰り対応

資金繰り③

(支払の優先順位)

 

ねりま中小企業経営支援センター

中小企業診断士 進藤 裕生

前回まで、「資金繰り表をつくることの重要性」および「資金不足が想 定された場合の対応方法」について説明しました。今回は、資金繰り を悪化させないため、あるいは資金繰りが厳しい状況を乗り切るため に、支払に優先順位を付けることの大切さを説明します。

  

1.悪化する兆しを感じたときは素早く手を打つす

 

 資金繰りの基本として、悪化する兆しを感じたときは素早く手を打ってください。 「A 社には支払いを待ってもらおう」、「B 信用金庫につなぎ融資を頼めばよい」などと、楽観的に考えて問題を先送りすると、 事態がますます悪化して取り返しのつかないことになりかねません。 「資金繰り表」を活用して悪い兆候を早めに察知し、「資金不足の要因」に応じて手を打ちましょう。

  

2.会社の支払いを把握しておく

 

 会社の 3 つの活動について、どのようにお金を支払っているのかを把握しておくことが大切です。

 

日ごろから、お金の使いみちを把握しておくことにより、以下のことが期待できます。 ① 会社の発展に貢献するお金を生み出すことに集中し、あまり貢献しないお金を節約

 できる。

② 売上の低下やコストの上昇など、資金繰りの悪化につながる変化を素早く察知する

 ことができる。

  

3.緊急時には支払いに優先順位を付けて乗り切る

 

 万一、資金繰りが厳しくなってしまったときは、支払いに次のような優先順位を付けて乗り切ります。 会社の存続や売上に直結する支払いを最優先し、その他については、猶予や減額を認めてもらうよう支払先と交渉します。

 

 

  

4.専門家に相談する

 「資金繰り」についてのお困りごとがあれば、お一人で悩まず「ねりま中小企業経営支援センター」にご相談ください。 練馬区に根差した中小企業診断士が、懇切丁寧に対応いたします。

 

 

【筆者プロフィール】

氏名 進藤裕生

練馬区在住の中小企業診断士です。

総合商社でさまざまなプロジェクトに携わり、海外での会社設立、運営、清算および訴訟を経験しました。2022年に独立し、経営の見える化と資金繰りをテーマに、経営者様が答えを見出せるようご支援しています。

 

■紙面だけでは伝え切れなかった想い

売上や利益を計上しても、資金がショートすれば事業を継続することができません。「資金繰り表」をつくるだけでも最悪の事態を回避できること、数字に基づく経営判断には説得力があること、をお伝えしたいと思います。