一般社団法人 経営革新等認定支援機関 ねりま中小企業経営支援センター

ねりせん経営相談室Vol.3 人手不足対応

人手不足対応➀
(離職防止)


ねりま中小企業経営支援センター

 

中小企業診断士  川村 要一

人手不足は、多くの中小企業が直面している深刻な経営課題です。最近では人手不足を理由とする倒産も増加傾向にあります。そこで、今回から3回にわたり、「人手不足への対応策」をテーマに取り上げていきます。第1回目のテーマは「離職防止」です。採用が難しい状況だからこそ、まずは現状の従業員が離職しないようにすることが重要です。

1.転職者が前職を辞めた理由 

 

 

 

 

 

(出所:厚生労働省 令和2年上半期雇用動向調査)

1)男性の離職理由の特徴

「給料」、「職場の人間関係」、「会社の将来性」が、男性の離職理由の上位3つに挙げられています。年代別に見ると、4549歳で突出している理由が「給料」であり、この年代で特に高くなっています。「職場の人間関係」は2539歳で最も高い離職理由であり、「会社の将来に対する不安」は2544歳の年代で多く見られます。若年層は職場環境、中堅層では会社の将来性、そして子供の成長とともに給与が重要な要因となることが見受けられます。

(2)女性の離職理由の特徴

女性の場合、「職場の人間関係」、「労働条件」、「給料」が上位3つに挙げられ、特に労働条件や人間関係の割合が男性よりも高い傾向があります。年代別に見ると、44歳以下の幅広い世代で「職場の人間関係」が高い離職理由となっています。「労働条件」に関しては、2049歳および5564歳で高く、子育て期間と介護期間に関連する2つのピークが考えられます。「給料」は男性ほど高くありませんが、2054歳の世代で離職理由として上位に挙げられています。若い世代は職場環境、中堅層は労働条件が重視されるようです。

2.属性別の離職防止策

離職理由は性別や年代によって大きく異なります。全ての層に対応できる離職防止策はなく、離職されては困る層に対して有効な離職防止策を講じていくのが効率的です。

12030代の男性、2040代の女性:「職場の人間関係」に対する不満を防ぐため、職場風土の改善や定期的な上司から部下への1on1ミーティングなど、社内コミュニケーションの促進が有効です。その時に大切なのは共感力です。
相手の見ている景色を想像し、共感することで、相談者から信頼を得ることができます。

23040代の男性:この年代は給与への不満が強い傾向があります。努力や成果が反映される給与制度や各種手当の導入が効果的です。また、「会社の将来性への不安」を解消するために、経営方針や中長期ビジョンを浸透させ、社員に安心感とやる気を与えることも重要です。

33060代の女性:育児や介護による離職が増えるため、育児・介護制度の充実や、家庭と仕事の両立を支援する柔軟な働き方(時短勤務、リモートワーク)の促進が有効です。

   

 

人手不足に関する課題や離職防止についてお困りのことがありましたら、ぜひ「ねりま中小企業経営支援センター」にご相談ください。練馬区に根差した中小企業診断士が、親切丁寧にサポートいたします。初回のご相談は無料で対応しております。

 

一般社団法人 ねりま中小企業経営支援センター(通称:ねりせん)

ねりせんは、中小企業支援・経営コンサルティングで練馬区の発展に貢献する、中小企業診断士の集団です。皆さまのご要望、ご意見をお待ちしています。

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【筆者プロフィール】
氏名 川村 要一
中小企業診断士 
専門分野:組織開発、人材開発、事業計画